年間1700万人もの人が海外へ出かけて行きます。
その行先も、目的もさまざま。
近年お手軽ツアーや格安航空券・翻訳機なるものの出現で
誰でも割と気軽に海外旅行に出かけられるようになりました。
「台湾1泊2日弾丸ツアー2万円ぎり」
というプランも目にします。
むしろ国内旅行の方が高い。
そんなケースも出てきます。
しかし、もし異国の地で思いもよらぬ病気になったり、体調を崩してしまったらどうしますか?
海外の医療費って高いと聞くけど・・・。
色々なことが頭を巡りプチパニックになってしまうかもしれません。
でも、そんなことも言っておられません。
体を治すことが先決です。
そして、日本では想像もできないような治療費の請求がきたら・・・。
何百万・何千万という桁外れの医療費がかかったら・・・。
そんな大金払えない、ではすみません。
お先真っ暗です。
何か良い方法はないでしょか?
実はあるんです。
そんなあなたを治療費の面から手助けをしてくれるのが
保険の存在です。
万一の時に備え、
後悔しないように
海外旅行に出かけるときには
絶対に知っておきたい保険にまつわるお話です。
保険は全て、加入者が手続きをしなければ何も始まりません。
こんなことがありましたよね。
こんな手続きを行ってください。
というような、連絡は来るはずもありません。
何が利用でき、どのようにしたらよいのか?
知っておくことがとても大切です。
「健康保険証」の力
渡航先で健康保険証って使える所がありますか?
答えはもちろんNOです。
健康保険証は海外では無力です。
日本国内であれば、多くの場合、3割負担で質の高い医療が受けられるのですが。
健康保険証は「厚生労働大臣の指定を受けた保険医療機関」でしか効力がありません。
渡航先は「国内」ではなく、「日本人」は外国人なのです。
健康保険証が使用できない外国では
治療費は、全額自己負担です。
どれだけの医療費を請求されるか・・・。
そのことも頭において対策を考えておかなくてはなりません。
友人がこのお正月休みを利用して3泊4日のカンボジア旅行に出かけました。
いつもは、風邪一つひかない元気印の女の子。
しかし、
出発地は雪のちらつく寒い日本。
そして着いたカンボジアは日本でいう「夏」、気温30度。
体が気候に順応できずに、すっかり体調を崩してしまって
食欲がなく、体がだるいとい絶不調。
無事日本に帰ってきたものの、新幹線やローカル線を乗り継いで自宅に戻る余力がない。
成田に降り立ってすぐ、空港内のクリニックに立ち寄ったとか。
そんなこともあるのです。
ちなみに、成田空港内には日本医科大学・羽田空港には東邦大学
関西国際空港には近畿大学医学部がそれぞれクリニックを開設しています。
彼女のケースくらいで済めばよいのですが、
渡航先でどうしても病院のお世話にならざるを得ないということも出てくるわけです。
そんな時、健康保険証を病院の窓口に出しても何の意味もないことはわかりました。
じゃあ、私たちはいったん日本を出たら、日本人で、日本の健康保険に入っていても健康保険組合は何も力になってくれないわけ??
そんなの冷たすぎる!
っと思う人もいると思います。
私だったら思います。そんな緊急事態の時だからこそヘルプミー!なんです。
いえいえ、安心してください。
日本の保険制度は親切で優秀です。
困っているあなたを見放したりしません。
海外では日本の健康保険証は使用できませんが、
二つの制度が支払った医療費の一部を払い戻ししてくれます。
日本で医療機関を受診したら、窓口で支払うのはかかった医療費の3割ですよね。
海外療養費制度とは、
海外で実際にかかった医療費に対して、日本で同じ治療を受けた場合の医療費と比べてどちらか低い方の7割が払い戻しされる
というものです。
あくまで日本の保険診療で認められている治療に関してということになります。
請求期限は2年以内。
現地で入手しておかなければならないものとして
診療明細書(出発前に用紙を印刷して持参することをお勧めします。後で郵送すると時間がかなりかかる)
領収明細書(コピー不可)・・・これは絶対に必要です。
の2種類の書類があります。
請求するために必要なものなので現地の病院で必ず受け取っておきましょう。
そんなもの、前はなかった・・・とおっしゃる方もおられるかもしれません。
社会保険では1981年から、国民健康保険では2001年から始まった制度です。
これは1か月単位で、医療費が一定額を超えた場合払い戻しが受けられるというもの。
収入によって限度額が定められており、一般的な給与所得者であれば負担額は月9万円程度。
(これには計算式があり、悪までも標準的なものです)
その負担額を超える額は請求されないという制度です。
これも「保険に定められた治療や薬剤に関してのみ」ということになります。
具体化をしてみましょう。
最近入院されたことありますか?
現在入院中の食費が1食460円。
一日すると3食なので1380円。
一か月入院すると41000円程度
になります。
これは食材費と調理費が含まれており、実費負担です。
食費以外にも医療費はもちろん必要ですし、場合によっては部屋代も必要となってきます。
これら入院に必要な費用を合計すると、部屋代を別途徴収されない場合でも
13万円程度
がかかることが多いんです。
ここで活躍するのが高額医療費制度でなんですね。
仮に入院した方の負担額が9万円だとすると、13万円かかろうが20万かかろうが負担額は9万円なんです。
入院してしまった場合にはとても助かる制度ですよね。
改めて保険制度に感謝です!
ここまで万が一海外で病院にかかった場合に医療費を一部負担してくれる制度についてお話をしました。
普段病院で使っている健康保険証は、海外で使用できませんが、実際にかかった医療費については日本と同様に、保険で認められた治療の範囲内で、3割負担でいいんです。
つまり、7割の金額がもどってきます。
自己負担金が多い場合は高額療養費の対象になります。
旅行保険で補償をうけても、これらが減額されることはありません。
生命保険(入院保険)
多くの方が加入しておられる生命保険。その中に入院保険があると思います。
入院一日につき〇〇円、手術〇〇円、という、あれです。
これは、多くの場合、海外での治療も国内同様の扱いになります。
しかし、これで大丈夫というわけにはいかないでしょう。
その時の力強い見方は・・・。
海外旅行保険
今や、海外旅行するなら
パスポート
クレジットカード
スマホ
と並んで、旅行保険は必須アイテムの一つになっています。
ところ変われば何とやら・・・。
海外の医療事情も実に様々。
じゃ、万一、海外で大きな病気になったり、怪我をしたら・・・。
そんなこと、自分には関係ない
と、多くの人は気にも留めないのではないでしょうか。
私もそうです。
万一の時に備えて・・・・、と言いながらも
万一のことなんか考えもしていない。
保険なんてお守りみたいなもの・・・。
しかし・・・です。
体験談
このサイトの管理人、リョウタさん。
30代の若者です。
実は・・・
彼は・・・
異国の地で大きな病気をした経験者。
その体験談を書いてあるブログ記事見てください。
必見です。
もしもの時、どういう状況になるのか、どんな制度や保険が力になるのか
そんな記事なので、先に読んでくださいね。
リョウタさんが旅をしていたのはノルウェー。
社会保障制度の充実した国。
医療水準も日本と大差はないようです。
しかし、外国人であるリョウタさんはもちろん治療費は全額負担となりますよね。
記事の中にもあるように、クモ膜下出血で倒れ、手術、入院、日本への搬送
トータルで
1000万円超え
の費用が必要になったそうです。
では、ノルウェーと、アメリカで同様の治療をした場合と比べてみます。
(※アメリカで脳卒中で倒れ手術。1か月入院後帰国というケースです。条件的には少し異なるかもしれません。)( )内がアメリカ
入院・手術 800万円(3000万円)
救援者費用 65万円(130 万円)
本人帰国費用150万円(180 万円)
お気づきのように、なんと言っても医療費の額の差です。
アメリカやカナダは特に医療費が高いことで有名。
もし、自分の身に降りかかったら・・・と考えると、ぞっとしますね。
このことを考えると海外旅行保険の大切さが分かっていただけると思います。
海外の医療機関では、保険など治療費の支払が保証されていないと十分な治療が受けられないことも珍しくありません。
チェコ、ポーランド、ブルガリア、ハンガリーなどの国では、短期間の観光で来た外国人に対して、一定以上の治療費をカバーできる保険の加入を義務づけているとか。
日本においても外国人の治療費未払いも問題になっています。
少し古い資料ですが、2015年の厚生労働省の調査によると、調査対象になった1378医療機関の内、
35.3パーセントの医療機関が外国人の治療費未払いを経験しているそうです。
そうなると、やはり外国人の急患などが敬遠されても仕方ないですね。
それは日本のみならず、どこの国でも同じでしょう。
旅行保険はもちろん医療場面のトラブルのみではありません。
病気やケガに対する補償も
入院費・緊急移送費・交通費・通訳雇入れ費・帰国するための交通費・救援者(家族等)の渡航費などが含まれています。
その他にも盗難や偶然の事故による携行品が損害を受けた時の賠償
他人にけがを負わせたり、モノを壊した時の賠償
航空機が遅れた時の食費や宿泊費
等が補償内容に組み込まれています。
あとは、限度額の問題。
クレジットカードを持たれている方は、旅行保険が付帯しているものもありますが、
限度額は低い設定になっています。
医療面でのトラブルに関して言えば、クレジットカード場合、大体上限が200万円程度のものがほとんどです。
旅行先の医療事情を考えて、補償金額を検討する必要があるでしょう。
治療費のみならず、海外では多くの国で救急車も有料。
山や海に出かけた場合、事故に合わないとも限らない。
海外旅行保険についてはこちらの記事をどうぞ。
どのような旅行保険があり、どのように組み合わせればよいか。
そんな記事です。
保険金の請求って併用できるの?
結論から言うとできます。
上記のブログ記事を見ていただけるとお分かりになると思いますが、
海外旅行保険にも色々な種類があります。
じゃ、
クレジットカード付帯の保険と他の掛け捨ての保険金請求は併用できるの?
海外療養費は??
ってことになります。
保険ってそれぞれが独立しているサービスですよね。
ゆえに、請求の権利があればそれぞれの保険に対して請求することができます。
でも、保険会社は言わば、ライバル的存在だと思うんですよ。
ここで一つ問題。
保険金の請求にはどの保険にも領収書が不可欠。
しかも原本・・・って書いてある。
もちろん領収書は一枚しか発行されませんよね。
じゃ、どれか一つしか請求できないじゃないですか。
ということで、保険請求の経験者、管理人のリョウタさんにお聞きしました。
複数の機関に請求する場合の方法
一つ目の方法は、提出後に原本を返してもらうこと
二つ目の方法は、保険会社間で連携をとってもらうこと
だそうです。
どのような方法をとればよいかは、各機関によって異なるようなので、要相談というところでしょうか。
ちなみに、海外療養費に関しては私の加入している健康保険組合は、領収書コピー不可と書いてありますが、
リョウタさんの場合、コピーで受け付けてもらえたそうです。
色々な状況を加味してもらえるのかもしれませんね。
海外療養費は「実際に窓口で支払った治療費の内、日本の保険点数で算定できるもの」に限られており
キャッシュレスメディカルサービスを利用した場合は請求できません。
ここは意外と盲点です。
私もリョウタさんからこの話を聞いて初めて知りました。
私と一緒に頭の中に入れておきましょう。
海外で治療を受け、ただでさえ頭の中がパニック状態の時に保険会社から支払い方法をどうするか聞かれるので、何も知らないと混乱してどうしたらいいか分からなくなってしまいそうですよね。
そうなる前に事前に制度を理解しておくことが大事です。
まさに備えあれば患いなしですね。
キャッシュレスは直接保険会社から医療機関等に支払いをしてもらえるので、請求の手間も省けて楽ちんなシステムです。
限度額内で支払いができるのであれば、煩わしさ一切なしです。
ただ、診療はその保険会社が提携している病院に限るということもあり、渡航先の医療事情を考えて判断した方がよいでしょう。
100キロも離れた病院を紹介されたという話も聞きます。
まとめ
万一、渡航先で医療機関を受診した場合
公的保険(健康保険組合)の海外療養費・高額療養費
が利用できます。
入院した場合、
入院保険適用
の対象になります。
万一に備えて、海外旅行保険の加入は是非しておくべきですね。
それぞれの保険は重複して請求できます。
領収書は一枚でも、使い回しは可能だそうです。
(※ それぞれに条件などがあるので確認は必要です)
何度も海外旅行に行ったけど、保険金の請求なんかしたことがない。
という、あなた。
あなたは幸せ者かもしれません。
大丈夫・・・、だけど、万一に備えるというのが保険です。
万に一つが、自分の身に降りかかることもありうる。
安心の材料を一つ増やして旅に出てくださいね。
ちなみに、病気や事故に備えて「治療・救援費」は大きめに設定することをお勧めします。
保険は「補償の上限」を超えると「自己負担」になります。
当たり前のことですが、ここがとても重要です。
旅行を計画するときに、万一の時にはこういう制度があるんだ、という知識を持っておいていただけたら幸いです。
それでなくても出費の多い海外旅行、保険料もったいない!!っておっしゃる方。
その保険料、どこかで誰かの命綱になっているということを忘れないで下さいね。
ということで今日も私は、海外に旅立ったすべての人が病気やけがをすることなく、元気で帰ってこられることお祈りします。
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